みなさんは歩行禅を知っていますか?座禅や瞑想は知っているけど歩行禅は知らないという方は多いのではないでしょうか。禅の修行の中で経行「きんひん」というものがあります。この修行は座禅の間にしびれや睡魔の緩和で行われる足ならし、健康法や修行法の一つとして行われています。その効果はストレス軽減や健康促進、そして精神面のケアに効果があると言われています。
歩行禅のやり方 2種類
歩行禅にも様々なやり方がありますが、ここでは誰でも簡単にできる二つの歩行禅を紹介したいと思います。
歩き方 その1
①姿勢を整える
背筋をまっすぐにして自然に立ちましょう
②呼吸に意識を向ける
歩き始める前に数回、呼吸に意識を向けましょう
③一歩一歩を丁寧に歩く
まずは一歩一歩を丁寧にゆっくり歩きます。具体的には、足の裏の離れる感覚、足が前に向かう感覚、足が下りる感覚、足が地面につく感覚を意識します。この順番を繰り返して意識を集中しましょう。
慣れるまでは足がつく・離れていく感覚だけを意識して、慣れてきたらより細かく丁寧な意識を行ってみて下さい。
ポイントは、普段の目的地を目指す歩き方ではなく、歩いてる動作だけに集中させることです。
そして、慣れてきたら足の裏の地面の感覚・重心移動の感覚・肌に感じる風や空気の温度など感覚に意識を向けましょう。長距離は不要で室内や庭の数十メートルの往復でも十分です。
歩き方 その2
①姿勢を整える
背筋をまっすぐにして自然に立ちましょう
②呼吸に意識を向ける
歩き始める前に数回呼吸に意識を向けましょう
③頭の中の思いを意識しながら歩く
リズムよく歩くと同時に感謝や反省の言葉を頭で語ります。「家族、感謝」や「健康、ありがとう」、「苦難、逃げない」など言葉を決めて、歩くリズムと言葉のリズムを合わせて歩いていきます。
例えば、右足を出すときに「感謝」。左足を出すときに「素直」と歩いていきましょう。その時に雑念や悩み不安が頭をよぎっても直ぐに決めた言葉に意識を戻して歩き続けます。
ポイントは、雑念・考え事がよぎったら直ぐに意識を戻すことです。慣れるまでは「あ、別のことを考えてた」と気づいたら、戻すの繰り返しで歩いてみましょう。
20分程度を目安に歩いていきましょう。
歩行禅の効果について
①ストレス軽減をさせ、雑念が静まります。そして過去の不安・悩みも減少していきます。
②ゆっくり丁寧に歩くことで集中力が向上します。マルチタスク(同時に作業する)が癖になっている人はシングルタスク(ひとつのことだけ作業する)の感覚をつかむことができます。
③適度に歩き疲れることで睡眠の質が向上し健康にも良いです。疲れにくい身体になっていきます。
④精神が不安定な方や考えすぎるループで苦しんでいる方は精神的セルフケアとなります。
最後に
歩行禅は道具も特別な場所も必要なく、行うことができる修行であり健康法です。座禅や瞑想はなかなかやるきっかけがない人でも散歩や通勤で歩いている時間を利用して意識を集中させて歩行禅をやってみてはいかかでしょうか。
ジョギングとは違う気持ちよさと心の集中力も高まっていく感覚が出てきます。
みなさんにもストレス改善や心の安定にきっと効果を発揮してくれると思います。
それでは、また。

