子どもと学べる禅語 日々新又日新(ひびあらたにして、またひあらたなり ~毎日を新しい気持ちで生きる~

日々新又日新― 毎日が新しい、変化を楽しもう ―

一日のはじまり、あなたは朝に何を考えてスタートしますか?「今日も学校だるいな~」「毎日毎日、同じ日の繰り返しでつまんない」なんて考えて朝の準備をしていませんか?でもよく考えてみましょう。同じ日なんてありませんよね。

毎日新しい食事や出会い・出来事が起きてます。そんな変化を気づいていないだけではないでしょうか。毎日を新鮮な気持ちを持って、小さな季節の変化にも目を向ければ、毎日がもっと楽しくなると思いませんか。


日々新又日新」の意味

この禅語は、「毎日、新しい気持ちで生きよう」という意味です。
「日々」は「毎日」、「新」は「新しい」という意味です。
つまり、「毎日が新しく、また今日も新しい」となります。

もともとは、中国の昔の本『大学(だいがく)』という書物に出てきます。
そこには、こんな話が書かれています。

殷(いん)の国の王様は、自分を毎日新しい気持ちを持つことに努力していました。
その心がけを表すために、洗面台に『一日新たに、日々新たに、また日々新たなり』と書いたと言われています。

その意味は「毎朝、顔を洗うように心も毎日新しくする」というものです。

毎日新しい心で、一日を向かえれば自分のいる世界は常に新しいものなる。

昨日の太陽と今日の太陽は違う、昨日の咲いた花と今日咲いた花は違う。川の水の流れは常に変化している。

自然の世界は毎日が新しいけど、人の心は過去にこだわって古いところにこだわってばかりいる。それは病気のようなものだと言ってもいい。

昨日のケンカや人の恨み事、憎いこと嬉しかったことも全てを忘れて新しい心で今日を迎えることが生きるということだ。それが本当の人間の生き方じゃないか。

人は新しいことが大好きだ。新しい食べ物・新しいファッション・新しい遊び。

しかし、いつも心の中では過去のことで頭がいっぱい。

◎一年前にあんなことを言われた。

◎自分に嫌なことをした、あの人は絶対に許さない。

◎どうしてあの時、あんな失敗をしてしまったんだ。

そんな、過去のことばかり考えてしまう。

全てを忘れることはできないが、過去ばかり考えていては『今』にゆとりが生まれない。

過去は過ぎたことと気持ちを切り替えて、今やるべきことに全力で向き合う。

今、腹を立ててもすぐ、横を向いて笑っているくらいの切り替えが出来たなら、

仏に等しいことじゃないか。

つまり、「きのうより今日、今日より明日、もっとよくなろう」と努力していたんですね。

たとえば、こんな毎日

  • 朝、「よし、今日は昨日より少しだけ元気にあいさつしよう」と思う。
  • 勉強でわからないことがあったら、「新しいチャンスだ」と考える。
  • 友だちとけんかしても、「明日は仲直りして、また新しい関係をつくろう」と思う。

こんな小さな積み重ねが、「日々新又日新」の実践です。

最後に

毎日が同じように見えても、空の色も、人の気持ちも少しずつ変わっています。
だから、自分の心も「昨日のまま」ではなく、
「今日という新しい一日」を大切に過ごしてみましょう。